4.5.テスト環境

このトピックでは、テストに必要な環境の要件と、その環境の遷移を検討します。 テストを効率的に進めるには、テストの内容に応じたテスト環境を、テストの実行に間に合うように準備しておく必要があります。 テスト環境に対する要件は、テストの内容やスケジュールだけでなく、プロジェクト全体のセキュリティポリシーやテスト以外の用途など、様々な要因に左右されます。 テストの実現性を大きく左右するトピックであるため、早期に確認しておく必要があります。

検討内容の概要

案件の提案時や要件定義工程の序盤で検討されている、開発や運用の環境をもとに検討します。

全体テスト計画で検討する他のトピックとの関係

このトピックと関係がある主要なトピックは、以下の通りです。

検討方法

    • 1. 案件の提案時や要件定義工程で検討した、プロジェクト全体で準備する想定の開発に必要な環境のうち、テストに利用できる環境を洗い出しておきます。 テストに必要な環境は動作させるシステムや接続先システムとそのインタフェースに依存する場合もあるため、テスト実施範囲を考慮します。

 

    • 2. テスト工程とテスト種別ごとに、環境要件を踏まえて、環境を割り当てます。

      • 以下のような要件を明らかにします。
        • ミドルウェア、ソフトウェア。
          • ツールを使ったテストを予定している場合は、ツールの動作に必要なシステム要件も満たす必要があります。
        • 必要なコンピューターのスペックや数。
          • テスト種別や、扱うテストデータの量にも左右されます。
        • ハードウェアの設置先や、ネットワーク環境。
          • 連携先システムとの接続有無や接続方法、クラウド環境を利用するかどうか、など。
      • 本番データや移行データをテストで使う場合、本番環境や移行とその検証に利用する環境についても確認します。
        • どのタイミングのデータをテストで利用するかが分かるようにします。

3. 複数の工程やテスト種別で同一の環境を利用する場合は、遷移がわかるように線表で表現します。次の内容がわかるようにします。

    • いつからいつまで利用できるのか。
    • 占有できるか。
      • 他のテストと同時実施できないテストの実施時にはテスト環境を占有できるか、確認できる必要があります。

参考事項

  • 特定のテスト工程及びテスト種別内で、複数の環境が必要になる場合もあります。この場合は、必要な環境の単位で検討します。
    • 例えば、結合テスト工程で実施するボリュームテストでオンラインとバッチ両方のテストをする場合に、必要な環境が異なる場合。