はじめに

こんにちは。デザイン&エンジニアリング部、入社2年目の大塚です。 私は学生の頃に情報システム学を専攻しており、情報システムの設計および開発手法、初歩的なプログラミングを学んだうえで入社をしました。 システムエンジニアはよく「IT知識を自ら学び続ける必要がある職業」と言われることがあります。

学生の方は社会人の学びについてのイメージが難しいかと思います。そこで私が入社1年目の際にどのように仕事をし、仕事の中でどのように学びを得てきたのかについて簡単にお話ししたいと思います。

1年目の流れ

どのように学んでいるかをお話しする前に、私のこの1年間の業務内容について説明します。 コロナウイルス感染予防のためTISではリモートワークが推奨されており、入社後の研修から現在の業務までリモートワークで進めています。

新人研修(4月~7月)
入社後は全体研修を受講します。ここでは新入社員全員が、ビジネスマナーやIT知識の基礎について学びます。IT知識の研修はシステム開発現場で用いられる基本的な用語を学ぶだけでなく、Javaを用いたプログラミング研修を1から受講します。 その後、プログラミングに直接関わる職種を希望する新人はさらに発展したプログラミング研修を受講します。ここまでの研修を経て、新人は必要最低限のIT知識を獲得し業務につなげていくことができます。

プロジェクト配属(8月以降)
その後は某システムの開発プロジェクトに配属され、開発メンバーとして業務を進めてきました。 さらに詳細な業務イメージについては以下の記事を参考にされると良いと思います。

【学生向け】2年目エンジニアのこれまでの仕事&プロジェクトの進め方紹介

新人SEが1年で経験したこと・躓いたこと・学んだこと

業務外での自己学習

「業務外でも自己学習をする必要がある?」という疑問を抱えている方も多いと思います。 私が会社説明会に参加した際には先輩社員へ質問をしたり、入社後も同期が先輩社員に質問している様子を見たりしました。 現時点での私の見解としては、業務外で自己学習を行うこともありますが、業務の一環として学習を行うこともあります。なぜかと言うと、TISでは業務時間を用いた学習の機会が設けられているということが挙げられます。 現在の私は業務の一環として、次のプロジェクトに向けてReact Nativeというフレームワークを用いた開発技術を学んでいます。 業務外で行う学習の場合には最近のIT動向を調べるなど、気になったことを調べる、ということが多いです。

学生の学びと社会人の学びの違い

学生としての大きな目的は「学習を行うこと」ですが、社会人としての目的は「業務を遂行し、利益を生み出すこと」です。 両者の最も大きな違いは「何のために学ぶのか」ということです。 学生の時の私は「知的好奇心を満たすため」、あるいは「単位を取るため」という気持ちで学んでいました。いずれも「自分のため」という意識です。私が勉強をしなくても周囲への影響は少なく、責任は自分に返ってくる、という構図となっていました。 しかし、仕事の中で学ぶことの第一目標は「顧客やチームメンバーの期待に応えるため」であると考えを改めました。(もちろん、知的好奇心から学ぶこともあります) 顧客やチームメンバーが私に期待している成果があるため、その成果を出すために学ぶ必要があります。

学ぶための目的が「自己成長のため」から「仕事で他者へ貢献するため」というように変化しました。

業務内で学ぶ際に気を付けていること

最も気を付けていることは、コストパフォーマンスの高さです。 ここでのコストは「勉強に要した時間」、パフォーマンスは「学びの質・量」です。 なぜなら、業務を行い成果を出すことが求められる社会人にとって、学びとはそれを達成するための手段であるからです。そのため、限られた時間を最大限に有効活用することが重要だと思っています。 コストパフォーマンスを高めるために私が行っていることは「目的と課題、手段を明確にすること」です。 以下は、私の課題が発生した時の具体例です。

私が某システム開発に携わったときに、ミーティング内で「クラウドのリーガルポリシー」という聞きなれない言葉を耳にし、ミーティングの内容が曖昧になってしまったことを覚えています。 この時の一番の課題は「リーガルポリシーという言葉自体が分からないこと」でした。 一番重要な目的は「ミーティングの内容を把握できるようになること」です。 しかし、「リーガルポリシーの詳細を知ること」を目的としてしまうと、問題が発生してしまいます。 なぜなら、どこまで学べば良いのか、ということが不鮮明になってしまい、学習コストが大きくなってしまい、本来の目的(成果を出すこと)が達成できなくなってしまう恐れがあるからです。 そこで私が取るべき手段は、「ミーティングについていける程度に、クラウドのリーガルポリシーという言葉を調べること」となります。

つまり「目的を達成するためには何をどこまで理解する必要があるのか」を見極めることが重要であると考えています。

質問をするか、自分で調べるか

ある一つの疑問の解消のために、質問をするか調査をするか、という2つの選択肢があります。

それらについての私の見解としては以下です。

  • 質問は他者から知識を与えられる分だけ短時間で済むため、学びの経験値は少ない。
  • 調査は自身で知識を得るために長時間要するが、学びの経験値は多い。

さらに私の性格として、気になったことを調べだすと深追いしてしまうという傾向があります。 そのため、私がこの2つの選択肢のうちどちらを選択するか決める指標を2つ設定しています。 1つ目は、「その疑問が一般的に解決される疑問なのかどうか」という指標です。一般的なものであれば調査をしますが、社内やプロジェクトの暗黙知であるような場合には質問をすることが多いです。 2つ目は、「その調査にかかる時間が15分を超過するかどうか」という指標です。この指標(感覚)は何度も調査しないと身に付きにくいです。私自身、今でも15分以上の調査を行うことはあります。しかし、この指標を意識し調査にかかった時間を把握することで、調査方法の改善が見込めます。例えば、30分かかってしまった場合には「調査対象が広範であった」などと考え、次回の反省点として活かすことができます。

基本情報技術者試験などがどのように役立つか

ネットで「システムエンジニアになるためには?」などと検索すると、未経験者の方へ基本情報技術者試験をおすすめしている記事をよく見かけます。 私も学生時代にそのような記事を見かけ、応用情報技術者試験(以下、AP)まで合格し、入社をしました。「APを取得すれば就活時や入社後に有利になるのではないかな?」とか考えて取得したことを覚えています。しかし、この資格を持っていたために有利に立てていたのかどうかは今でもわかりません。
業務を行う上でとても役に立っていることは確かです。 それは、IT業界における必須単語を押さえることができるからです。 現場では、IT用語が頻繁に飛び交います。例えば、「新しくクラウド開発基盤を作るから、そのためにAWSでWAFを実現し……」という会話があったとします。 その際に逐一「クラウドとは?」とか「AWS? WAF?」という疑問が浮かんでしまうと、会話についていけなくなります。 そういった事態を防ぐためにAPなどのようにIT知識を広く学んでおいたことは役に立っています。

おわりに

この記事では入社1年目の際に、私が業務内で学習した方法について簡単にお話ししました。 これからシステムエンジニアを目指そうとしている方や、今後システムエンジニアになる方の一助となれば幸いです。