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企業が大学に出向く職業体験プログラム ~大学×企業で取り組む「持ち込み型開発体感セミナー」の魅力と成果~
もくじ
はじめに
TISでは実際にシステム開発に携わる技術部門の社員が大学へ出向き、学生の皆さんにIT業界の仕事を体験していただく「持ち込み型開発体感セミナー」を企画・実施しています。
各チームにエンジニア社員が1名つく本セミナーでは、社員との深い交流を通じてエンジニアの視点や考え方を直に学ぶことができます。
本記事を通して「持ち込み型開発体感セミナー」の特徴や内容、学生の学び、オンライン・対面双方の開催風景まで、参加を検討する学生にとって「このセミナーで何が得られるのか」を具体的に紹介します。
活動内容の紹介
カリキュラムの基本内容
持ち込み型開発体感セミナーでは参加学生がチームを組み、普段目にするWebアプリケーションなどを題材に疑似的なシステム開発を短期間で体験することができます。
はじめはサービスの提供価値やユーザの視点を踏まえて、既存アプリケーションの課題抽出と改善案(新機能の実装やUI/UXの変更)の検討といった要件定義を行います。その後、設計~開発~成果物の発表まで、実務に近い開発工程に沿って一連の流れを経験していただきます。
3daysカリキュラム
特徴
3daysカリキュラムでは「設計→プログラミング→テスト→改善」というサイクルを2度繰り返すことで、より多くの学びが得られるプログラムとなっています。
短い期間の中で2度のサイクルを回すカリキュラムにより、時間管理や優先順位付け、意思決定のスピード感など、短時間で最大の成果を生み出すためのプロセスや判断力を学ぶことができます。
また、1周目でうまくいかなかった経験を活かし、2周目では自分たちの行動を振り返り改善することで、さらなる成長・成果へつなげることができます。
セミナースケジュール
- 1日目
ガイダンスと課題説明からスタートし、午後はチームでの議論を経て設計・プログラミングに着手します。 - 2日目
開発を進めた後、社員よりフィードバックを経て1サイクル目を完了します。午後は2サイクル目の設計から進みます。 - 3日目
2サイクル目のテストまで終えた後、午後は成果発表を実施します。最後にはフィードバックを通して学びを振り返ります。

5daysカリキュラム
特徴
5daysカリキュラムでは開発プロセスをより細分化し、より現場に近いスタイルでの疑似的なシステム開発を行えるプログラムとなっています。
設計やプログラミングに加え、テストや成果物の品質評価にも力を入れ、完成度の高いアウトプットを目指しています。開発工程ではSPA(Single Page Application)技術を取り入れたフロントエンドからバックエンドまでの幅広い開発に触れ、さらに、GitHub CopilotなどのAIコーディングツールを積極的に活用した現代的な開発スタイルでシステム開発を体験することができます。
セミナースケジュール
- 1日目
午前中にガイダンスと課題説明があり、午後はチームで課題抽出や優先順位などを決める議論を重ねていきます。 - 2日目
議論した内容をもとに設計・プログラミングへ進み、設計は社員によるレビューを経て実装に進みます。 - 3日目
設計内容をもとにプログラミングを実施します。 - 4日目
引き続きプログラミングを実施し、午後には動作確認や単体テストを実施します。 - 5日目
チームで実装したWebアプリケーションの品質評価を行い、午後には成果発表を実施します。
その後、社員よりフィードバックを実施して本セミナーの締めくくりとなります。

オンライン・対面開催の様子
執筆時点ではこれらカリキュラムを公立はこだて未来大学と東北大学(※1)の2校で実施しました。
下記ではオンラインと対面時、それぞれの様子を紹介します。
※1 東北大学では、2024年度より「TISシステムインテグレーション教育プログラム共同研究部門」を設置しており、このプログラムの一環として、当カリキュラムを実施しています。
オンライン
オンラインではMiroというホワイトボードツールを活用し、チームでの議論をリアルタイムで行っています。
また、GitHub Codespacesというクラウド型開発環境を利用することで、場所にとらわれずチーム全員が同じソースコードにアクセスし、効率的な分担作業を可能にしています。
Miroによる議論時の様子
チームごとにMiroを活用して議論を進めることで、オンラインならではの協働作業を実現しています。

Zoomを活用したチームでのコーディングの様子
同じソースコードを共有し、必要な箇所の確認や修正をリアルタイムで意見交換しながら開発を進めています。
※実際にはカメラをONにして開発を行っています

対面
下記は最終日に対面で実施したカリキュラムや成果発表時の様子です。
カリキュラム実施中の様子
各チームの参加者同士が積極的に意見を交わしながら、カリキュラムに取り組む様子がうかがえます。

成果発表の様子
チームごとに成果を発表し、緊張感の中にも達成感が溢れていました。

参加するメリット―こんな人にオススメ!
- 学校の学びを実践的なプロジェクトに活かしてみたい人
- 「チームでアイディアを形にする」経験を積みたい人
- エンジニア社員のサポートを受けながら自分の実力を試したい人
参加前、感じる不安や疑問について
本当に「ついていける」?
- チームメンバーと協力しながら開発を進めるため、お互いにサポートし合いながら取り組むことができます
- セミナー前に事前学習を通して、基礎的な技術や知識を身につけることができます
- わからない部分は社員が丁寧にサポートします
開発経験がない学生からも「楽しい」、「社員の丁寧なサポートで安心して取り組めた」という声が多く寄せられており、エンジニアとしての仕事の進め方や考え方を学ぶいい機会になったとの感想もいただいています
何が「学べる」?
- システム開発の基礎的な技術や開発プロセス
- Webアプリケーションの見た目を担うフロントエンド(3daysではHTMLやCSS、5daysではReact)とデザインの考え方、システム側を担うバックエンド(Java)を経験することができます
- 実践的なチームワークやコミュニケーションスキル
- 限られた期間の中で成果を出すために、同じ目的に向かってチームで連携して取り組む協働力を学ぶことができます
- オンラインと対面それぞれの強みや難しさを体験することで、どの環境でも建設的な議論をするための工夫や考え方を学ぶことができます
- 開発における実務視点ならではの取り組み方や考え方
- 普段接する機会の少ない現場のエンジニア社員が各チームに1人つき、社員と学生がより深く交流できる体制を整えています
参加学生の声
本セミナーは実際に参加した多くの学生から高い評価をいただいています。
アンケート結果では、セミナー全体を通しての満足度は「満足」「やや満足」の回答が100%となりました。また、推薦したいと思う人の割合も100%でした。

実際に参加した学生からは、以下のような声が寄せられました。
- 開発現場の空気やチーム開発のいろはを知れたこと、JavaやHTMLといったプログラミング言語に初めて触れWebサイトにおけるフロント・バックの知識なども得られたことがとても有意義な時間になった
- 現場の開発プロセスを体験できたことで、学校生活であまり経験しない設計やテストの重要性が学べた
- ウェブアプリ開発やそのプロセスなど普段生活していてなかなか学べないようなことについてたくさん触れることができるようなイベントだった。サポートも手厚く楽しく作業でき、満足度がとても高かった
- チーム開発で得たことが大学でのプロジェクト推進など応用的にも活かせる内容だったので、周囲・後輩にも参加を勧めたい
- 自分の実力を知ることができるし実際の業務を詳しく体験できる。手厚いサポートがあるため安心して取り組むことができる
さいごに
例年、弊社では夏季・冬季に応募を募る形式での開発体感セミナーも開催していますが、参加者は首都圏在住が大半を占めており、遠方の学生にとっては参加のハードルや交通費・滞在費への懸念などの課題がありました。こうした現状を踏まえ、場所や時間の制約を減らし、より多くの学生と交流しシステム開発の仕事・エンジニアの考え方を広く知っていただきたいという想いから一部大学様と連携し、このような持ち込み型開発体感セミナーを企画・実施しています。
TISの開発体感セミナーでは、現場に近いリアルな体験を通じて、「学校だけでは学びきれない実務スキルが身についた」、「チームで協力して成果を出し発表する貴重な経験ができた」など、多くの参加者から学びや成長の声をいただいています。
自分の可能性を試してみたい、実務レベルの開発に挑戦してみたい、チームでの経験を積みたい――そんな学生にこそ、ぜひ開発体感セミナーへ参加していただきたいと考えています。
この挑戦が、次の学びと成長につながる一歩となることを願っています。
