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小学1年生でも理解できるブロックチェーン
はじめに
web3で登場する言葉を初見で理解することはとても難しいです。実際、入社4か月弱、配属されて1週間の時期の私には、web3で登場する用語の概念の理解にとても苦しみました。そんな中、先日、小学生にweb3について説明する機会がありました。
事前情報では小学1年生の参加もあると聞いていたため、説明する際に専門用語を使ってしまっては理解してもらうことが難しいと判断しました。そのため、ブロックチェーンや仮想通貨、NFTなどの言葉を使わずに説明しました。
それをもとに、この記事では、web3で登場する用語を専門用語を使わずにどのように紹介したかを説明します。一般的に使用されている言葉を赤で、小学生に対して使用した言葉を青で、示しています。
仮想通貨・暗号資産とは
仮想通貨・暗号資産とは、コンピュータを使って世界中で使えるお金のことです。今の世界では、欲しいものがあったらお金を払って、ものを買うことができます。しかしこれは、日本でものを買うときは日本のお金が必要で、海外でものを買うときはその国のお金が必要です。下の図のように、国によって異なるお金を使っています。つまり日本のお店でものを買いたいときに、アメリカのお金を使おうとしても、ものを買うことができません。

しかし、それを可能にするのが、コンピュータを使って世界中で使えるお金です。このお金を使うことによって、世界中のどこにいる人とでもお金のやりとりをすることができます。下の図のように同じお金を使ってやり取りをすることができます。

ここで、姿が見えない人とやり取りをすることは怖いと思う方もいるかもしれません。例えば、今、現実で使われているお金が世界で統一のものになったとしましょう。AさんはBさんに100円分のお金を支払ったのに、Bさんは「Aさんからは50円分しかもらっていない」と嘘をついたとしても、それが嘘であると証明をすることができません。
しかし、コンピュータを使って世界中で使えるお金は特別な方法で守られているので、やり取りをした相手に騙されてしまうかもしれないという心配は必要ありません。次の章では、その特別な方法とは何かを紹介します。
ブロックチェーンとは
その特別な方法とはブロックチェーンのことです。ここでは特別な方法として進めます。この特別な方法には以下のような特徴があります。
- みんなが同じ情報を持っている
- 書いてあることが変えられない
- その場にいない人でも情報を見ることができる
これだけ見てもピンとこない部分があると思うので、学校の授業を例に考えます。
1.みんなが同じ情報を持っている
学校の授業を受ける時には、ノートを取ります。授業を受けている生徒は、先生が黒板に書いたことを自分のノートに書き写します。このような状況では、どのクラスメイトのノートを見ても同じ情報が書いてあります。これが、みんなが同じ情報を持っているということです。
2. 書いてあることが変えられない
また、小学校では鉛筆もしくはシャープペンシルを使ってノートを取ります。これは間違えたときに消して正しいことをかけるようにするためです。では、ノートを取るときに名前ペンを使ってはどうでしょう。名前ペンを使うと、一度書いてしまっては消すことはできません。修正テープで消すことができるという発言もありましたが、実質的には消えたわけではありません。このように特別な方法では一度書いたことは書き換えることができません。
3. その場にいない人でも情報を見ることができる
横の席のクラスメイトが学校を欠席することもあるでしょう。学校を休んでしまった日の授業内容は学校を休んでしまうとついていけません。その時に、自分がとったノートを隣の席のクラスメイトに見せてあげて、授業内容を教えてあげると思います。これができるのは、みんなが同じ情報を持っているという状況があるからです。つまり、その場にいなくても、情報をキャッチアップすることができます。これが特別な方法の特徴のその場にいない人でも情報を見ることができるということです。
特別な方法はこのような特徴があるため安全ということです。では、特別な方法によってコンピュータを使って世界中で使えるお金は実際になぜ安全に守られているといえるのかを説明します。
ここで先ほどの例に戻ります。例えば、AさんはBさんに100円分のお金を支払ったのに、Bさんは「Aさんから50円分しかもらっていない」と嘘をついたとします。その時に、特別な方法を使っていれば、他の人たちの手元にある情報には「BさんはAさんから100円分のお金をもらっている」と書いているので、Bさんは嘘をついていることが分かります。
NFTとは
上述したとおり、コンピュータを使って世界中で使えるお金は特別な方法によって守られていますが、お金以外にも特別な方法によって守ることができるものがあります。それが、特別なアイテムです。この特別なアイテムは、NFTと呼ばれます。特別なアイテムとは世界に一つだけのお宝という意味です。下の図を用いて世界に一つだけのお宝とはどういうことなのかを説明します。
この図は、特別なアイテムではない、今までのアイテムです。左上に原本がありますが、これをコピーして、シャッフルしたものが、数字が下についている4つのアイテムです。

原本はどれだと問われても分からないでしょう。なぜなら、原本とコピーされたものの区別をつけることができないからです。ここで「特別なアイテム」を紹介します。

二つ目に示した図が、特別なアイテムですが、これには本物であるという印が残されています。ここでは、分かりやすく金のメダルを世界に一つだけのお宝の印として表現しています。これをコピーして、シャッフルしたものが、4つ並んでいる下のアイテムです。今回、「本物はどれか」と問われたら③が本物であることが分かるでしょう。今までのアイテムでは、本物がどれかを見極めることができませんでしたが、特別なアイテムはどれが本物かを見極めることができます。これが、特別なアイテムは世界に一つだけのお宝という意味です。本物をコピーしたものがたくさん存在しても、本物は世界に一つだけなのです。
これらの技術の使い道
ここまでに、コンピュータを使って世界中で使えるお金、特別な方法、特別なアイテムについて紹介してきました。いま一度確認ですが、コンピュータを使って世界中で使えるお金とは仮想通貨、特別な方法とはブロックチェーン、特別なアイテムとはNFTのことを示しています。
ここではこれらの技術がどのように使えるようになるのかを下に並べます。
- 他の国の人とのやりとり
- 安全にお買いもの
- ニセモノと本物の見分け
上述した3つのポイントは既に各技術での特徴として、述べてきたことも含んでいますが、まとめも兼ねてここで再度言及しておきます。
1.他の国の人とのやりとり
この技術の使い道に関しては、コンピュータを使って世界中で使えるお金を説明した際に登場した言葉です。現実の世界では、他の国のお金を使って日本で買い物をすることはできませんが、このコンピュータを使って世界中で使えるお金という世界共通のお金を使うことによって、世界中のどこにいる人とでもやりとりができるようになります。
2.安全にお買いもの
これは特別な方法のときに登場しました。特別な方法では、参加している人が書き換えることができない同じ情報を共有していました。特別な方法の時には、Bさんが嘘をついて、Aさんからお金を多くもらおうとしていましたが、嘘を見破ることができるという例を紹介しました。このように、特別な方法を使うと安全にお買いものができるようになります。
3.ニセモノと本物の見分け
「ニセモノと本物の見分け」に関しては特別なアイテムを紹介したときに登場しました。特別なアイテムは、本物であるという印が残されているため、コピー品を見分けることができました。つまり、ニセモノと本物の見分けができているということです。
ウォレットとは
ここまでにコンピュータを使って世界中で使えるお金と特別なアイテムについて説明してきました。お金が現実世界でもお財布に入れるように、コンピュータを使って世界中で使えるお金もお財布にしまって保管します。そのお財布のことをウォレットと呼びます。このウォレットにはコンピュータを使って世界中で使えるお金だけでなく、特別なアイテムもしまっておくことができます。

ガス代とは
この特別な方法を使うときには、タダで使えるわけではありません。この特別な方法を維持するためにはお金がかかってきます。細かい説明は割愛しますが、小学生にでも伝わる言葉で表現すると、特別な方法を使わせてくれてありがとうのお金がかかってきます。つまり手数料のことです。特別な方法を使用すると手数料がかかります。これはガス代と呼ばれています。特別な方法を使わせてくれてありがとうのお金を払うことによって、この安全な特別な方法を使うことができるというわけです。

上の図はコンピュータを使って世界中で使えるお金を使って、特別なアイテムを購入している様子を表したものです。この図では、コンピュータを使って世界中で使えるお金で支払っているものとは別に、吹き出しでお金が引かれています。この吹き出しが先ほど説明した特別な方法を使わせてくれてありがとうのお金です。
結びに
これまでに紹介したように小学生にweb3の技術について説明する時には、専門用語を使わずに説明しました。専門用語を使わずに説明するということは、説明者である自分自身がブロックチェーンや仮想通貨などの用語についての深い理解が必要です。入社して4か月弱、配属され、web3について勉強し始めて1週間程度という時期に、小学生にも伝わるような説明の方法を考えるのはとても難しかったです。しかし、この経験を通して、難しい用語や概念を簡単な言葉に落とし込むことができたと同時に、ブロックチェーンや仮想通貨とは何かの理解が進み、とてもいい機会になりました。また小学生にweb3について説明する機会があるかどうかはわかりませんが、自分がweb3について勉強しているときに理解しがたい言葉に直面した時には、自分なりの易しい言葉に落とし込んで、理解を進めていこうと思っています。
