はじめに

ここでは、新規事業立ち上げのプロセス「ステージ・ゲートプロセス」における「事業性確認・事業性拡大ステージ」を解説します。

※上図の各ステージをクリックすることで対応記事にジャンプできます。

新規事業立ち上げの全体概要を掴みたい方は、まず新規事業開発 ― ステージ・ゲートプロセスによる新規事業立ち上げを一読頂くことをお勧めします。

事業性確認・事業性拡大ステージ

事業性確認・事業性拡大

概要

事前に立てていた収支計画と実績値を照らし合わせ、大きなギャップがある場合は原因を分析し、事業の改善と更なる拡大を目指して施策を検討するステップです。

実施手順

事業性確認・事業性拡大は以下の3つの手順で行います。

1. 収支計画と実績値を比較し、ギャップがある項目を洗い出す

「売上高」や「費用」といった結果だけを見るのではなく、「顧客数」や「平均単価」等の結果を構成している項目に注目し、予想とギャップがあった項目を見つけましょう。

2. AARRR指標を参考に、ギャップの原因を深堀りする
  • 1で確認した「ギャップがある項目」に関して、そのギャップを生み出した原因を深堀りします。AARRR指標を参考にすると、顧客がどのフローで止まったのか等を明らかにすることができます
  • 例えば、「顧客数」が少なかったのは、訪問数が原因か、注文ページまでの画面構成が原因か等が確認できます

    AAARR指標

3. 打ち手を検討し、実施する

2で洗い出した原因を踏まえて、実施すべき施策を検討し、実施します。

  • 購買単価の向上:関連商品のレコメンド/会員ランク等
  • 購買頻度の向上:プッシュ通知等
  • 平均継続期間の伸長(解約率の低下):ポイント制度等
  • コストの削減:仕入れやチーム体制見直し等
  • CVRの向上:画面遷移等の改善/チュートリアル等
  • 広告費の削減:紹介制度/コンテンツマーケティング等

コツ/注意点

「数」ではなく、「割合」を見て顧客の反応の変化を見極める

リリース後は、追加開発や広告予算の拡大等、運営側は様々な施策を打ち出します。その際、顧客の反応がポジティブに変化しているのかどうかを見極めることが重要です。
そのためには、単に「数」を見るのではなく、「割合」を見ることが大切です。
例えば、広告費のコストを多くかければ、露出量の増加になり、結果的に訪問者数や購入者数が増える可能性は高いです。
このとき、訪問者数や購入者数といった「数」だけを見ると、顧客の反応がポジティブな方向で変化したのか適切な判断できません。
「数」増加の裏側で、効率は下がっている可能性があるからです。
もしも効率が下がっていることに気づかずその施策を継続した場合、多くのコストをかけ続けなければならず、ジリ貧になってしまいます。
一方で、訪問者数に占める購入者数等の「割合」を時系列で見ることができれば、顧客の反応がポジティブな方向に変わっているかどうかを見極めることができ、施策や商品・サービスの改善効果を正しく理解できます。