新規事業開発は本質的に不確実性と不透明性に満ちています。 このような状況においては、高速で仮説検証サイクルを繰り返しながら「学び」の量を最大化していくことが 必要であり、計画性と予測可能性が重視される大規模開発とは全く異なるエンジニアリングが求められます。

このエンジニアリングのノウハウを獲得していくためには、新規事業開発の実践の中で、成功と失敗を繰り返していく他ありません。一方で、そのノウハウを獲得するために、全ての人が同じ試行錯誤を繰り返す必要はないはずです。 そういった背景から、エンジニアである我々は新規事業開発を専任するエンジニアリングチームを組成し、大企業の中で新規事業開発を進めた過程を「トレイル」として公開することにしました。

新規事業開発のプロセスは「ステージ・ゲートプロセスに基づく新規事業開発」でも紹介していますが、具体的には以下13個のプロセスからなります。

  1. アイディエーション
  2. 事業化検討審査
  3. 課題検証
  4. ソリューション検証
  5. PoC実施審査
  6. MVP開発・PoC準備
  7. PoC
  8. 事業検討継続見極め
  9. 事業計画作成
  10. 事業計画審査
  11. サービス開発
  12. 出荷審査
  13. サービスリリース審査

各プロセスにおける制約はそれぞれ異なり、結果としてそこで求められるエンジニアリングも異なります。 我々は2021年10月より、さまざまなフェーズにある新規事業開発へ参画し、個々の事業・フェーズにおいてどういったエンジニアリングが最適なのかを模索していきます。

新規事業開発の成功率は決して高くありません。 本コンテンツの中で残すトレイルが「成功」へ行き着くことは保証されておらず、むしろそのほとんどは失敗することになるでしょう。 しかし、成功からでなく失敗からも「学び」を得ることができるはずであり、その「学び」こそが最終的な成功へつながる一番の原動力となるはずです。

我々の成功や失敗、そして何より「得た学び」を現在進行形でお伝えするため、本コンテンツは隔週で更新していきます。 読者の皆さんにとって、本コンテンツが新規事業開発の最終的な成功へつながる一助になることを願っています。

トレイル